本日で無事「幻の墨流し作品展」in新潟県民会館
終了させていただきました。
4日間で約300名のお客様のご来場を賜りました!
大変ありがとうございました。
引き続き1月28日(水)・29日(木)の2日間
和gen会場で開催いたします。
和gen会場ではハンカチや半衿を染める
墨流し体験が出来ますので是非お出掛けくださいませ。
詳しいご案内と動画付きの墨流しのご説明はこちら↓↓↓
http://n-city.net/wagenarchive/information/8092.html
ご来場お待ち申し上げております。
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さて、小国「高三織物」見学ツアーのつづき・・・
高三社長インフルの為、
社長の弟さん、今井さんが
高三織物の主力商品でもある柿渋染めご説明をしてくれました。
柿渋とは渋味の強い渋柿の果汁を発酵熟成させたもので、
主に1年〜3年の熟成品を使用します。
柿渋は昔ながらの知恵の結晶であり、
昔は庭先の渋柿から柿渋液を作り、
様々な所で活用されて来ました。
柿渋の特徴の一つとして、水を通し難く
空気を通すことが上げられます。
柿渋の活用例といたしましては
・天然染料
・天然塗料
・伊勢型紙
・和傘、和紙の補強剤
・民間薬
・清澄剤
・魚網等の補強剤
・捺染型紙の補強剤
etc…
高三さんでは織り上がった布に柿渋染めを施すのでは無く、
糸かせの状態で柿渋を浸染します。
柿渋液の濃度調整を行った後、
糸ひとかせづつ浸け込み丹念に揉み込んで、
出来るだけ均一に染まるようにします。
染め付けた糸かせを天日に晒すため、
竿にひとかせづつ均一に日光が当たるよに、かせを広げて掛けます。
越後おぐには、11月〜3月まで多くの雪で覆われるので、
染付けは4月ころから行います。
柿渋は独特な強い臭いを放つ為、
柿渋染付けの時季になると
ご近所に迷惑を掛ける為
今でも挨拶回りをしているのだそうです。
現在臭いを抑える薬も出来たのだそうですが
やはり100%天然柿渋を使ったほうが
染め色が美しい為
高三さんではこだわって臭いを抑える薬は一切使わないのだそうです。
染付けた糸は3〜4ヶ月間に渡り糸かせの上下裏表を満遍なく天日に晒すことで、
糸の十分な強さと柿渋特有の茶褐色を発色させます。
天日晒し後は更に約半年間保管し、
色を安定させるため、約1年間の糸ごしらえとなります。
高三さんの天然地下水には豊富な鉄分が含まれており、
道路の白線が一冬で赤茶けてしまうほどです。
この天然地下水で柿渋染めの糸を媒染すると
天然染料の柿渋と天然地下水でしか出すことの出来ない
自然でまろやかな鉄紺色となります。
今井さんが柿渋で染めた糸を
地下水につけ込んで見せてくれました。
つけた部分がじんわりと黒く変化していきます。
媒染後に乾燥すると鉄紺色の奥から柿渋本来の渋茶色が発色し、
なんとも云えない自然な奥深い泥茶色が出来上がるのです。
柿渋の説明の後、
皆さんで柿渋染めのタペストリーを絞って鉄媒染
私の作品です。
上手く絞り染めできました!
・・・つづく。