結城つむぎ展③「いしげ結城紬」

結城紬の一番の特徴は、
ふんわりとした真綿の風合いです。
 
これは、動力織機によって織られる
「いしげ結城紬」も同様です。
 

 
いしげ結城紬は、
軽くて暖かく、
着心地が良いといった特徴はそのままに、
技術の合理化により
価格を抑えることで、
手が届く結城紬として
多くの方に親しまれています。

 

結城郡とこの産地が呼ばれるころ、
北部結城町では「本場結城紬」が、
南部石下町付近では「石下紬」(経:絹、緯:綿)
と呼ばれる交織織物が
実用呉服向けとして織られていました。
 
昭和中期になると
実用呉服の中心がウールに移行し、
これに伴い石下産地は
生産を絹100%の高級品に変え、
時代に対応しました。

 

やわらかな真綿から引いた糸を、
作業効率をあげての製織に成功したことが、
いしげ結城紬の技術の特徴です。
 
四十数工程ある作業は、
熟練の職人達の手業により
支えられています。
 
糸は、真綿から動力を使い
手で引き出していきます。
 

 
縦糸の場合は
そこに更に細い生糸を絡ませ
補強します。
 
織りは動力織機を使用します。
 
この織機の扱いには、
手仕事とはまた違う技術力を必要とします。
 

 
また絣が入る場合には、
一本一本柄を合わせながら織っていく
根気のいる作業になります。
 
いしげ結城紬は、
限りなく手仕事に近い動力を使って
丁寧に製織される、
温もりある布なのです。
 
・・・つづく

 
 

「結城つむぎ展」開催中!
2月9日(金)~12日(月・祝)
●本場結城紬●いしげ結城紬●結城帯
○夏結城○ちぢみ結城○結城紬×貴久樹ほか・・・